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研究テーマ

  •  当研究室は "想いは未来を創る" を理念に,いつでも,ど こでも,誰もが,快適で安心・安全に情報と関わり合える情報化社会を担う人材の育成に努めています.次ページの三つの大テーマの中から,学生の希望や履修状況などを考 慮して,基礎プロジェクト(学部3年次生対象)や卒業研究(同4年次生),特別研究(大学院生)の具体的なテーマと目標を設定します.気楽に担当教員や研究室所属学生に 問い合わせてください.

    なぜ想いが未来を創るのか?
     皆さんは,これまで必ず解ける問題が出題され,これを解 いて,そして教師に正しいか評価(採点)してもらってきました.社会に出ると課題が与えられるだけ, あるいは自ら課題を見つけても,解ける保証はありません.漠然とし た中から,まず解ける形に課題を整理(問題を作成)し,次にこれを解いてみて,さらにその正しさを理論や実験,シミュレーションを通して自ら示し,最後はその成果を論 文や製品などとして世に問うことになります.うまくいかなければ,あきらめずに何度も繰り返します.この一連のプロセスの一つひとつに,皆さんの想い(試行錯誤の成果 )や人となり(人柄)を込めることによって,はじめて人の心を打つことができます.それが新しい未来の創造へつながっていくのです.

    賢い技術者を願って!
     解決しなければならない課題に出会ったとき,それが様々な事柄 との絡み合いが複雑なほど,我々は往々にして「結論はこうだ」と決めつけて取り組みがちです.こうした姿勢で課題解決に臨むと,大きな誤りを犯しかねません.なぜなら ば,「最初に決めつけた結論」を導き出すあるいは補強する材料ばかりに目が向き,その裏に潜む本質的な問題や想定した結論の間違いを示唆する材料に目配りができなくな るからです.
     こうした過ちは,声の大きい人に引っ張られ,異を唱える少数意見を無視することによって も起きます.個人レベルから大きな組織に至るまで日常茶飯事に起きていると言っても過言ではありません.何事に対しても常に「想定した結論や仮説は,どこか間違ってい ないか?」という謙虚な姿勢で臨み,どんな子細なことや意見にも目配り・心配りをすることによって,大きな過ちを避けることができます.皆さんはこうした過ちを犯すこ とがない賢い技術者になってもらいたいと願っています.

    賢いリーダーを願って!
     人は権力の座に就いた時,よほどの悪人でない限り,誰も が誠心誠意組織のために尽くそうと思ってスタートします.しかしながら,多くの権力者がやがて横暴で信用されなくなります.これは何故でしょうか?
     権力の座に就くと,自分を支持した気心が知れた仲間内で委員会を設けます.委員会では, 内容が固まるまで外部に伏せて検討を進めるのが一般的です.実は,この気心が知れた仲間内が曲者なのです.気心が知れた仲間内は,当然考え方は少なからず偏りを持ち, 検討を重ねるごとに偏りは増幅され,これに気が付かないまま突き進むと,やがて大衆の考え方から大きくかい離してしまいます.それを認識しないまま,組織のためにと考 えてきた「最善の策?」を強引に実行すれば,大衆から大きな反発を受け,挙句の果てに「権力は横暴で信用できない」に行き着きます.
     これを回避するには,広い範囲で「情報の共有」を図り,反対意見を含むすべての「情報の 公開(言論の自由)」を推し進め,そして「ラフコンセンサス(大まかな合意)」を形成しながら,小さな規模で試し,うまくいくことを確認できたら,少しずつ適用範囲を 広げていくことです.
     皆さんが社会に出て自分の最善を尽くしていれば,やがて組織をけん引する立場に就くでし ょう.「権力は横暴で信用できない」と言われない賢いリーダーであることを願っています.

  • 概要

     巧妙化・組織化するサイバー攻撃が大きな脅威になっています.攻撃側が圧倒的に有利な中,これまでの“自分を守るセキュリティ”から,インターネット全体の安全性を高める“グローバルセキュリティ”への転換が必要です.
     こうした視点から,当研究室は,“自律分散型インターネットセキュリティ(AIS)基盤”を提案し,昨年9月から米崎直樹先生(元東京工業大学教授)と君山博之先生(元NTT未来ねっと研究所)をお迎えし,AIS研究プロジェクトを推進しています.
     構成要素は,MLB(Multi-Layer Binding)ルータ,TPM(Trusted Platform Module)及びAI(人工知能)です.キーとなる機能は,①攻撃パケットを逆行経路(送信元IPアドレスへ到達可能な経路)が存在するもののみに制限し,AI搭載の攻撃検知エンジンからの逆行経路に向けた廃棄要請によって攻撃を遮断する,②ネットワークレベルで無防備なIoT(Internet of Things)のマルウェア感染予防/汚染IoTの無害化を行う,③すべてのパケットにセキュリティ評価値を附し,受信するか否かの判断は受信者に委ねるの三つです.
     AIS基盤を模擬したテストベッドを構築し,被害ノードからの廃棄要請によるDDoS攻撃の遮断実験や, 総当たり攻撃でIoTにマルウェア感染させる探索パケットを定点観測でキャッチし遮断する実験などを行っています.これらの遮断実験の様子を,ネットワークトラフィック可視化システムを用いて,リアルタイムで3D描画する環境の整備も行っています.
     本研究プロジェクトは,公益財団法人セコム科学技術振興財団ほかからの研究助成を受けて,八槇 博史教授(副代表),上野 洋一郎教授,堤 智昭助教,未来科学部 佐々木 良一教授と共同で取り組んでいます.皆様のご支援と共同研究を広く募っています.
    2017年3月14日に開催した“サイバーセキュリティシンポジウム 2017 in TDU”で,「自律分散型インターネットセキュリティ基盤の概要と実現課題」と題し,小林が講演しました.

    左) 攻撃パケットの転送を逆行経路の存在の有無による制限をせずに,被害ノードからの廃棄要請によってbMLBRで遮断
    中) 攻撃パケットの転送を逆行経路が存在するもののみに制限した上で,被害ノードからの廃棄要請によってbMLBRで遮断
    右) IoTをマルウェア感染させるようと総当たり攻撃している探索パケットを,定点観測からの廃棄要請によってbMLBRで遮断

    主な研究課題

    ・大規模なテストベッドの構築と各種サイバー攻撃遮断検証実験
    ・機械学習技術を用いた攻撃/加害検知と被攻撃/被害検知技術
    ・利用者とノードの認証・判別・検疫に基づくQoS設定と,セキュリティ評価値による受信側での受信可否判断
    ・TPMやブロックチェーンを用いた強靭な信頼基盤形成技術
    ・多対多攻撃の集約/誤廃棄パケットの復帰/廃棄要請の適正性評価技術
    ・ISPや契約ユーザの自発的導入を促すためのメカニズムデザイン

    習得する知識とスキル

    ・OpenFlow技術, MLBルータ技術
    ・セキュリティ技術(IPsec,IEEE802.1X認証,検疫,IDS)
    ・ネットワークトラフィック可視化システムを用いたネットワーク実験技術
    ・ネットワークプログラミング技術(ruby, Java, C)
  • 概要

     ケーブルモデムや光ファイバなどを用いた高速インターネットサービスが,先進国を中心に 急速に普及しました.今後の課題として発展途上国などでの情報格差解消のためのネットワーク環境の整備が課題となっていました.これを短期間で経済性良く解決するには ,マイクロ波帯などの無線伝送媒体の利用が有効なことから,"広域ブロードバンドワイヤレスネットワーク"に関する研究を行ってきました.これは,伝送媒体上の信号消滅 時刻を見込んでパケットを先行送信させることによって,劣悪かつ広域な環境で効率良くパケット通信を実現しようとするもので,無線LANを極限まで高性能化することを意味 します.
     この研究成果などを活用したアドホック無線センサーネットワークは,例えば福島第一原子 力発電所の劣悪な環境下で作業者が安心・安全に効率よく収束作業に従事できるよう,敷地内や原子力建物内の環境情報(放射線強度,温度,湿度,位置情報など)を高密度 /高精度/リアルタイムで収集し提供することを想定した研究です.

    主な研究テーマ

    ・マルチパスルーティングによる転送経路の負荷分散と障害耐性の向上
    ・マルチクラスティングによる劣悪環境下でのセンサーノードの接続性確保
    ・GPSと準天頂衛星「みちびき」を利用した高精度位置特定
    v-MCA: Variable Multiple Collision Avoidance

    習得する知識とスキル

    ・アドホック無線ネットワーク制御技術
    ・ネットワークシミュレータQualNetを用いたネットワーク性能評価技術
  • 概要

     問題文中への解答挿入表示機能などのスマートツールは,学習での煩わしく非生産的な作業 を軽減するとともに学習意欲を刺激し,成績の向上をもたらします.これは学生たちの履修経験から生まれたもので,学習支援システムe2-ELMとして実 現し,インターネット総論A,Bなどの授業科目で試験運用しています.これまでに5,000名を越える学生たちが,復習や中間・期末学力考査などで活用しています.この成果は 後輩の学生に引き継がれ,便利なスマートツールのさらなる提案と開発,それらの有効性を教育工学的に検証しようとする研究です.
     さらに,テスト得点や出欠などの学修データをe2-ELMから収集し,過 年度のデータと照合することによって履修中の学生の単位落とし率を推定の上,単位を落としそうな学生とその要因(学力不足や多欠など)をリストアップし,推定単位取得 率を記載した励ましメールを自動配信する学修改善指導支援環境の整備を行いました.1/3セメスター経過時点で励ましメールを全学生に配信し奮起を促したところ,推定単位 取得率が低い学生ほど学修改善効果(成績や出席率向上)が見られました.さらに,学生ごとのテスト偏差値の推移や年度ごとの特徴をニューラルネットワークに学習させた 結果,推定誤差を従来の最大20%から10%以下に抑えることができました.
     また,これらの研究成果の応用として,子供たちの科学技術への回帰を願って,学園祭との 共同企画「わ!と驚く科学技術」のためのFeliCaスタンプラリーシステムの開発と運用にも取り組みました.

    主な研究テーマ

    ・学修改善指導支援環境の整備(科研費採択テーマ)
    ・ICTを活用した教育システムの構築及び運用
    ・スマートツールによる学習効率と使い易さの追求

    習得する知識とスキル

    ・プログラミング(Java,JavaScript,HTML5,R言語など)
    ・Webアプリケーションシステム技術
    ・教育工学,テスト理論,実験計画法(統計処理)
    ・システム高可用性技術
    ・データマイニング技術